着物の格の見分け方!着物に種類はあるの?

日本が海外に誇れる伝統の一つでもある「着物」

普段手軽に着ることは少なくなりましたが、

成人式や結婚式・七五三などの行事に着る機会はあり、今なお日本人に愛されている伝統です。

最近ではカジュアルに着こなし、日常的に着ていらっしゃる方も見かけますね。

そんな着物ですが、着物といってもさまざまな種類があり「格」もあります。

また、着物の種類や格によってTPOが決まります。

それでは着物の種類と格の見分け方を説明していきます!

着物の種類と格の見分け方

まずは代表的な着物について種類・格・着用シーンについて説明しますね。

見分けるポイントになりますのでよく読んでくださいね!

聞いたことがある着物もあるかと思います。

着物の格や特徴、着用するシーンを知っておくととても便利ですよ!

打掛(うちかけ)

白無垢を着た後ろ姿の女性

結婚式で花嫁さんが着る着物です。

白無垢や色打掛等があります。

時々、神社を参拝していると白無垢を着て神前挙式をされているシーンをお見かけしますね。

白無垢は結婚式でのみ着用できる最高格の着物です。

白無垢に文金高島田という髪型(上記の写真のような)をして綿帽子をかぶるのが花嫁さんの結婚式での衣装になります!

ちなみに新郎が着用するご衣裳を紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)といいます。

挙式で白無垢、披露宴で色打掛に着替えるのは「花嫁は何色にも染まっていない純真な身体を意味しており、結婚することで婚に染まる」という意味合いを持つようです。

黒紋付(くろもんつき)

主に喪服が黒紋付と呼ばれる着物です。

お葬式に着物で参列される方はもう、あまり見かけなくなりましたね!

名前通り、色は黒色で柄はついておらず、両胸・背中・両後ろ袖に一つずつ計5つのが入っています。

帯も黒一色の「黒喪帯」と合わせます。

帯揚げ・帯締め・草履も黒色を使用しますので洋服同様に全身「黒」になります。

紋とは
個人や家族を識別する日本の紋章です。

振袖(ふりそで)

振袖を着た数人の女性
Johnnys_picによるPixabayからの画像

未婚女性の正礼装(第一礼装)

袖の長さにより、成人式用や披露用などと分かれています。

帯は丸帯・袋帯を合わせましょう。

結び方は自由なので、いろいろなアレンジがお着付け教室でも練習されていますよ!

黒留袖(くろとめそで)

赤い傘をさし黒留袖をきた女性
写真AC

既婚女性が着る最高格の着物です。(第一礼装)

名前の通り黒色で五つの家紋(最高格の染め抜き日向紋)が入っているのが特徴です。

着物の裾(下半身)にのみ絵羽模様がついています。上半身は黒一色ですよ!

用シーンは結婚式・披露宴に出席する新郎新婦の母親や仲人のみに限られます。

帯は錦織や唐織の袋帯か丸帯を合わせましょう。 

帯揚げ・帯締めは「白」が基本です!白地に金銀が入っていてもOKですよ。

黒留袖を着用する時のアクセサリーですが、基本的には結婚指輪・婚約指輪(爪の低い)ですのでご注意くださいね。

アクセサリーについての詳しい説明は以下の記事で説明していますので、参考にしてくださいね!

色留袖(いろとめそで)

淡い紫色の色留袖を着た女性
写真AC

生地が黒色以外の留袖を色留袖といいます。

未婚・既婚問わず着用できる格の高いお着物です。

訪問着との違いは、上半身は黒留袖と同様に無地になります。

帯は袋帯か丸帯を合わせましょう。

着用シーン・格は紋の数によって変わります。

五つ紋を入れると正礼装(第一礼装)になり、結婚式で新郎新婦のお母様・が着用するのに相応しくなります。
三つ紋・一つ紋は準礼装となり、結婚式にゲストとして参列する時に着用できます。

訪問着(ほうもんぎ)

水色の花柄の訪問着を着た女性
写真AC

振袖や留袖の次に格が高い着物です。

上半身・下半身にも柄が入っています。全身に柄が入っているのでとても豪華です。

帯は格の高い袋帯を合わせましょう。

着用シーンは結婚式・入学式・卒業式などのフォーマルなシーン。お食事や観劇などのシーンにと幅広く着用できます。

一枚持っていると、さまざまなフォーマルシーンで活躍できますので、もし着物の購入を考えている方は訪問着をおすすめします。

付け下げ(つけさげ)

淡いピンク色の着物

訪問着と区別がつきにくく、プロでも矛盾なく説明できる人はほぼいないほどの着物です。

元々訪問着の豪華さを無くす目的で作られたそうです。戦時中の贅沢品はご法度とされており、着物も例外ではなかったそうです。

ではどうやって訪問着と見分けたらいいの?

経験でお話させていただきますと、

誰が見ても豪華は模様(絵羽模様)が入っているものは 訪問着
控え気味な模様なら 付下げ

と扱っていることが多いです。上記の写真の着物も付下げとして購入しました。

付け下げは着物の形にする前の反物の状態で模様付けするため、訪問着のような繋がった模様(絵羽模様)はありません
これも見分けるポイントですね。

格は訪問着の下になります。

帯は袋帯を締めれば格が上がり、入学式などのシーンで着用でき、

名古屋帯や洒落帯を締めれば格を落とすことができお食事・観劇のシーンで着用できます。

色無地(いろむじ)

ピンクの色無地の着物と白の帯とピンクの帯締め

生地を黒色以外の一色で染めた着物です。

紋がついていると訪問着と同じ格になり、袋帯を締めます。

紋がついていない場合、袋帯を締めれば付け下げと同じ格になり、

名古屋帯を締めれば次にでてくる小紋と同じ格になり、お食事会・観劇・街着のシーンで着用します。

色無地も1枚持っていると便利です!

私が最初に誂えた着物は、訪問着と色無地になります。フォーマルなパーティー・入学式・卒業式・七五三・初釜などで大活躍しています。

小紋(こもん)

グレー地に黄色や赤い蝶々柄の着物

生地全体に柄がついているお着物です。

付け下げ色無地より格は低いです。

普段着る街着として着用します。

帯は名古屋帯・半幅帯を合わせましょう。

無地場の多い模様の小紋を「飛び柄小紋」、上記写真の通り無地場がほとんどなく全体に模様で埋め尽くされた小紋を「総柄小紋」と呼ぶそうです。

紬(つむぎ)

蜘蛛の巣柄の帯と茶色の蝶々柄の大島紬

紬糸を使った先染めの織物の着物です。

小紋同様の格になり、普段着街着として着用します。

帯は名古屋帯や洒落袋帯・半幅帯をあわせましょう。 

代表的な紬として、大島紬・結城紬・牛首紬があります!!

紬は着やすくとても丈夫なので、普段着としてはとても最適です。
また、紬は適度な張りがありますので、着付けを習う時には紬の着物をおすすめします。

浴衣(ゆかた)

赤い花柄の浴衣を着た女性とグレー系の浴衣を着た男性
PAKUTASO

最も格の低い着物になります。

浴衣は一番親しみのある着物になりますね!

帯は半幅帯を合わせましょう。

通気性や速乾性に優れていますので、昔は湯上りや寝巻きとして着用されていましたが、今は花火大会やお祭りに欠かせない存在ですね!

旅館やホテルに浴衣が用意されるようになったのは、江戸末期に始まったそうです。

まとめ

着物の格の見分け方を説明しましたが、洋服と同じで着物にもTPOがあり、合わせるまたは合わせられる帯も決まっています。

少し面倒かもしれませんが、あくまで大切なフォーマルなシーンでだけ気つけていれば、着物の格を気にせずホテルのお食事に紬で行ったり、訪問着でお出かけしたりと、どんな着物の格の組み合わせでもいいのではないかなと思います。

日本にしかない大切な伝統を少しでも多くの方に浸透していってほしい・・着物の格の見分け方やTPOは知識として頭の隅に入れといて、あとは自由に着物を楽しんで欲しいです!!