「江戸小紋(えどこもん)」は皆さまご存知ですか?
名前にもなっている通り、江戸時代に発展してきた型染めの着物だそうです。
普段着として着る「小紋」という種類の着物がありますが、「小紋」とは着物全体に模様が入っている着物のことですね!
では「江戸小紋」と「小紋」の違いって何なのか?またそれぞれの特徴を説明していきますね!
「江戸小紋」と「小紋」の違い
着物には格があることは、着物の格の見分け方!着物に種類はあるの?でもお伝えしましたね。
同じ着物でも着物に紋を入れたり、着用する帯によって「格」がかわり、着用シーンも変わってきます。
「江戸小紋」も模様付けや紋を入れることで、格が上がります!
まず「江戸小紋」について詳しく説明します。
「江戸小紋」とは?
「江戸小紋」とは遠目には、無地に見えるほどの小さな模様で着物全体を染め上げた着物です。
染め上げるために「伊勢型紙」が必要となります。そのため「伊勢型小紋」とも呼ばれています。
「江戸小紋」は入り無地と同等の格の着物になります。前途しました通り「江戸小紋」は紋を入れると色無地同様に格があがります。また、模様によっても着物の「格」が変わります。「江戸小紋」の模様によって変わる格でご紹介しています。
江戸小紋は伊勢型を使い版画のように染めていきますが、ズレたり狂いなく細かな作業をするため、難易度が高い技とされています。
修業を始めてから10年はかかると言われているまさに「匠の技」と言える染めになりますね。
型染めの技法を使い着物全体に模様を染めますので「小紋」の一種ではありますが、区別をするために「江戸小紋」と呼んでいるそうです。
また江戸時代に武士の裃(かみしも)の文様から着物の文様に取り入れられたのがきっかけとなり、庶民の間でも大人気になり「江戸小紋」となっていったそうです。
※伊勢型紙とは
和紙3枚を柿渋で貼り合わせ天日干しして、その後燻すことで伸縮しにくい茶色の土台となる紙に、図案の模様を彫った紙のことです。
伊勢型紙は99%三重県鈴鹿市白子地区で生産されているそうです。
「小紋」とは
「小紋」は型紙を用いて、模様を繰り返し反物に染めた型染めの着物です。
では江戸小紋と小紋は何が違うのかと申しますと、
型染めですので、江戸小紋と同じですが、小紋の模様は大小がありますが、遠目でも模様が分かる大きさの模様で染めます。
無地の部分が多い模様の小紋を「飛び柄小紋」、無地の部分がほとんどなく全体に模様で埋め尽くされた小紋を「総柄小紋」と呼ばれています。
この模様付けや模様でフォーマルシーンやカジュアルシーンに分けられますが、江戸小紋のように「紋」をつけると格が上がるということは小紋にはありません!
「小紋」の着物に紋をつける事はほとんどしません。
飛び柄小紋 総柄小紋
まとめ
江戸小紋と小紋の違いはお分かりいただけましたか?
同じ型染めでも江戸小紋と小紋では格も大きく変わってくるのですね!
しかし紋付け・模様・帯によっても江戸小紋も小紋も格(着用シーン)は変わってきますので、少しややこしい部分ではあります!
大切なシーンの時だけは気をつけて、あとはお気に入りの模様の着物を着たい時に着ていくことが長く着物を楽しめるコツだと思います!!
また、「江戸小紋」は伊勢型紙を使って染めていることから「伊勢型小紋」と呼ばれていることも覚えておいてくださいね。